京田辺市立培良中学(京都府京田辺市)全4回

「経済知力フォーラム」の平成18年度プロジェクトの第3弾がスタートしました。「京田辺市・京田辺市教育委員会・同志社大学連携推進事業の一環として、京田辺市立培良中学校の3年生に向けて行われる特別授業「暮らしと経済」(全4回)です。

イントロダクション:暮らしと経済篠原総一・同志社大学経済学部教授 2006年10月27日(金)

第1回目の特別授業が10月27日(金)の午後、京田辺市の中部市民センターメインホールで行われました。テーマは、「イントロダクション:暮らしと経済」、講師は同志社大学経済学部の篠原総一教授。
篠原先生は、経済全体の仕組みを生徒に理解してもらおうと、身近な筆記道具である「ボールペン」を例に取り上げて、「どこで買ったの?」「誰が作っているの?」「ボールペンの材料は何?」などと、生徒たちに問い掛けながら授業を進めていきます。当たり前のように思っていた日常生活の事柄について、改めて質問されると、大人でも返答に窮するものですが、生徒たちは戸惑いながらも一所懸命答えようとしていました。あっという間に、前半の50分が経過しました。
後半の50分は、同志社大学の篠原ゼミの学生が参加してのディスカッションタイム。130人の生徒が8グループに分かれ、各グループに学生1名がアドバイザーとして加わりました。大学生たちの役割は、前半の授業で理解しにくかった個所を中学生に解説したり、篠原先生への質問を引き出したりする手助けをすること。大学生を中心に車座になっての話し合いでは、緊張感も解け、生徒たちは楽しそうに意見や感想を述べ合っていました。
最後のグループごとの代表質問では、「なぜ、世界の国の通貨が同じではないのか?」「日本とアメリカでは、どちらの経済がよいのか?」など、難問が続出。篠原先生は、一つひとつの質問にていねいに答え、いずれも正解は一つではないと力説しました。生徒たちは、「経済には絶対に正しいという答えはなく、いろいろな側面から考えることが大事だ」と語った篠原先生の言葉の意味を実感できたのではないでしょうか。(西村理)

暮らしと働き川口章・同志社大学政策学部教授 2006年11月10日(金)

「経済知力フォーラム」の平成18年度プロジェクトの第3弾、京田辺市立培良中学校特別授業「暮らしと経済」の第2回目が、11月10日(金)の午後、京田辺市の中部市民センターメインホールで行われました。
テーマは「暮らしと働き」、講師は同志社大学政策学部の川口章教授。
特別授業は、第1回目と同様、前半は生徒との対話形式で授業が進められました。川口先生は生徒たちに、「あなたは将来どんな仕事をしたいですか?」「あなたは何のために働きたいですか?」と質問を投げかけました。生徒たちの答えは、「生きていくため」とか「おカネを儲けたい」とか「人の役に立ちたい」とかさまざまでしたが、川口先生は生徒たちの答を5つの欲求階層別に分けてみせ、それを「理想主義者」「現実主義者」「バランス感覚の持ち主」という3タイプに分けて説明。それを聞いた生徒たちは、自分がどのタイプなのか、楽しそうに話し合っていました。
後半は、前回と同様、生徒たちは数グループに分かれ、同志社大学の学生たちが生徒の輪の中に入って、授業の復習をしたり、どのような質問をするかをグループごとに話し合ったりしました。そして最後の各グループの代表質問では、「男女の働き方の違いが、どうして起こるのか」といった根源的な質問も飛び出しました。(西村理)

暮らしとおカネ新関三希代・同志社大学経済学部教授 2006年11月24日(金)

2006年11月24日午後、第3回目の特別授業は倍良中学体育館で行われました。
テーマは「暮らしとおカネ」、講師は同志社大学経済学部教授の新関三希代先生。
これまでと同様、前半は生徒に質問をしながら、おカネの働きを説明するために、ゲームメーカーの任天堂が最近発売したゲームソフトの「Wii」を例に挙げて、開発費用をどこから調達するかを、銀行や株券を描いたパネルを生徒にみせながら授業が進められました。とりわけ、銀行からおカネを借りたときのメリットやデメリット、そして、社債や株式による資金調達の特徴や違いなどについて説明を生徒は真剣に耳を傾けていたようです。
後半は、例によって4クラスを2つずつ8グループに分かれ、同志社大学の大学生8人がそれぞれのグループに入って、授業の復習や質問を話し合い、最後は質問タイム。各グループから一人ずつ代表で新関先生に質問。「どうやれば、株で儲かりますか」という生徒、「内部留保ってなんですか」と尋ねる生徒とさまざまだった。(西村理)

暮らしと会社西村 理・同志社大学経済学部教授 2006年12月1日(金)

2006年12月1日、京田辺市立倍良中学で4回目の「特別授業」が行われました。テーマは「暮らしと会社」、講師は西村理・同志社大学経済学部教授。
会場となっている中部住民センターは倍良中学から徒歩5分ほどの距離。ちょっとした移動でも、生徒たちはピクニック気分。授業が始まってもおしゃべりは続く。体育館としても使われているメインホールは天井が高いので、生徒たちは集中力を高めるのが難しいのかもしれません。
授業は「新関三千代賞」の授与式ではじまりました。前回の授業を担当した新関三千代先生が、全生徒から寄せられた感想文を読んで4人の受賞者を決定。生徒たちは、少しはにかみながらも誇らしげに、篠原総一先生(経済知力フォーラム理事長・同志社大学経済学部教授)から賞状を受け取りました。会場からは大きな拍手。
前半の授業では、西村理先生が生徒の間を歩き回りながら、「会社」の仕組みや機能をやさしく解説。後半は、4クラスをそれぞれ2つに分けて8グループが車座になってのグループ討論。そのなかに同志社大学の学生が一人ずつ加わって議論をリード。その後の質問タイムでは、各グループの代表者が西村先生に質問。「特別授業」はつつがなく終了しました。
最後に、修了証書の授与式。各クラスを代表して4人の生徒が壇上にのぼり、篠原先生から修了証書を受け取りました。(堀岡)